千代田区二番町町会・町会長に対する訴訟提起及び二番町（日テレ超高層ビル）問題に関する記者会見のお知らせ

　株式会社グロービス（東京都千代田区、代表取締役：堀義人）は、二番町会および町会長を提訴することを決定し、3月16日（木）11時より堀義人（株式会社グロービス代表取締役）と大城聡（原告訴訟代理人）が出席して、司法記者クラブ（東京高等裁判所2階）にて記者会見を開催します。報道機関の皆さまに関心を寄せていただき、ご参加いただけますようお願い申し上げます。

（本訴訟の意義）
　二番町（日テレ通り）の問題に関する訴訟提起は、本訴訟が初めてです。また、補助金を受ける公共性の高い町会のガバナンス問題に関する訴訟も前例がないものと考えています。本訴訟は、二番町（日テレ通り）の地区計画変更に関して、適正な手続が行われるように求める裁判です。
　本訴訟の提起に合わせて、樋口高顕千代田区長及び都市計画審議会の岸井隆幸座長に対して同町会の意思決定過程に重大な問題があるため、問題の当事者である同町会長を二番町地区計画変更に関する都市計画審議会の審議に参加させないことを求める書面を提出します。

掲題の件に関して、以下の通り記者会見を実施します。
日　時： 3月16日（木）11時00分〜　
場　所： 司法記者クラブ（東京高等裁判所2階）
出席者： 堀 義人（株式会社グロービス代表取締役）
　　　　 大城 聡（原告訴訟代理人）　　　　
問合せ先： 東京千代田法律事務所　弁護士　大城 聡
電　話： 03-3255-8877　FAX：03-3255-8876

【本訴訟詳細】
（本訴訟に至る経緯）　
　二番町を含む番町地区には、20年ほど前にビルの高さを最高でも60ｍに制限する地区計画が作られました。千代田区都市計画マスタープランでも番町地域では中層・中高層の落ち着いた住環境を重視するまちづくり方針が掲げられています。ところが、千代田区は、同地区内の日本テレビだけに対し、特別に90ｍの超高層ビル建設を許すために二番町地区計画を変更しようとしています。　　　
　本年1月26日に行われた都市計画法16条1項に基づく公聴会では、公述申出が約70件あり、そのうち住民ベースでは6割超が反対意見でした。昨年7月6日 にオープンハウスで実施されたアンケート、さらに同年12月8日の都市計画法16条2項に基づく地権者意見書においても住民ベースでは反対意見の数が一貫して上回っていました。また、本年3月3日の千代田区議会環境・まちづくり特別委員会において、「都市計画案に対する地域合意が不十分であり、事業の公共性を確認しながら今後地域を二分することがないように合意形成を図っていける協議の場を検討すること」等が委員会集約として取りまとめられました。
　日本テレビだけに対して90ｍの超高層ビル建設を許す地区計画変更について、二番町町会の諸享町会長は積極的に賛成で、公聴会でも賛成意見を述べています。同氏は、二番町地区計画変更を審議する都市計画審議会の委員でもあります。

（提訴に踏み切る理由）
　2019年5月の二番町町会の総会前に二番町の町会員でもある株式会社グロービスが二番町町会の理事に立候補したい意向を諸享町会長に伝えましたが、（役員改選期でしたが）､「知らない人なので受けられない」「町会規約に詳しい規定がない」との理由で拒否されました。株式会社グロービスは、二番町の清掃などに毎回多数の社員がボランティアとして参加し続けたにもかかわず拒否されてしまいました。その後も立候補の意思を伝え続けても無視され、昨年4月の役員立候補の申し入れ時には「役員改選期ではない」との理由で断られました。同町会では、日テレ通りの問題について反対意見を有する町会員が同町会の運営から排除されています。
　また、対象地区の町会である二番町町会では定期総会が会則に定めのない書面決議の形式で行われ、町会員が立候補や意見交換する機会がありませんでした。このような町会の運営は民主的な手続からほど遠いものと言わざるを得ません。 さらに、町会長に関して日テレ関係者との接触等があったか否かについて書面で質問しても回答がありません。町会員である株式会社グロービスは、同町会に対し、昨年10月に上記事実関係に関して内容証明郵便にて質問しましたが、未だに回答がない状況です。
　二番町町会のガバナンスの問題は、堀義人が再三にわたって日テレ通り沿道まちづくり協議会でも問題提起し、複数の区議にも問題点を訴えかけ、区長にも問題を説明し、公聴会でも問題点を指摘し続けてきました。町会は、区から補助金を受ける公共性の高い団体ですから、直ちに是正されるべきです。しかしながら、千代田区からは何ら改善する動きが見られず、諸会長からは返事を得ることができない状況が続きました。そこで、この様な町内会のガバナンス問題は、各地域で起こっている可能性があり、町会ガバナンス改革の必然性を社会に訴えかける目的も兼ねて、提訴に至った次第です。

（本訴訟の概要）
　本訴訟の原告は、町会員である株式会社グロービスです。同社代表取締役は「番町の町並みを守る会」の共同代表、「千代田区民の声を届ける会　(https://sensei-kai.jp/)」の代表を務め、個人としても二番町まちづくりに関わっている堀義人です。被告は、二番町町会及び諸享町会長個人です。
　請求の趣旨第1項は、二番町町会の立候補を妨害したことを不法行為として二番町町会及び町会長に対しての損害賠償を求めるものです。立候補の拒否およびその後の立候補機会を奪う書面での総会決議は正当な理由を欠くものであり、町会運営に関わる機会を不当に奪われたと考えています。
　請求の趣旨第2項は、同町会の昨年度及び今年度の定期総会の書面決議が無効であることの確認を求めるものです。規則に規定がない場合、同町会のような権利能力なき社団内部関係には「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律」に関する法律の規定が類推適用されるところ、同法58条1項は「当該提案につき社員の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、当該提案を可決する旨の社員総会の決議があったものとみなす」と規定しており、社員全員の同意を要件としています。同町会において定期総会を書面決議に代えようとする場合には町会員全員の同意の意思表示が必要です。しかし、同町会では全員の同意を得ていません。町会員全員の同意を得ずに開催した書面総会は無効であり、前年度及び今年度の定期総会における各決議は不存在（同法265条1項類推適用）であるとして、司法判断を求める次第です。

以上